キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
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S334 シナン・キリム

産地 シナン  SINANLI KILIM
年代 1920年頃
大きさ 123〜126*93〜95cm
価格 58,000円


シナンのキリムをダメージに沿って切り分けました。
偶々ながら、これには大きな羊の角が2つ半程入り、サイズ的にも丁度いい大きさ。

オリジナルのサイズとして提供できればそれに越したことはありませんが、修理費用を考えると、その選択肢はありませんでした。
また、シナンのキリムは元々、色目の数は少ない方ですが、このシナンでは濃紺色と白いコットンがメインとなり、色目の点で申し上げれば地味です。
それなりの理由があっての事ですが、小さく切り分けた方が良いかもと考えた理由の一つ。

ただよく見ると、織り込まれた模様はかなり手が込んでおり、並々ならない腕前の持ち主です。
それにもかかわらず地味な色合いをしているのは、意図したもので、室内の長椅子の上に掛けるか、目隠し等、何かしら一枚のキリムとして使う用途があったのだと思います。
幅広にできている点も含め、チフカナットではなくこれが一枚のオリジナルだったと思います。

柔らかい糸で織られ、スリットを多用したキリムになのに。壊れていた部分は限定的で、全般的に良好な状態であったのは、敷物では無かった所為。
何よりこの大きな羊の角模様が如何にもシナン。
同じデザインはマラティアの各地の他、中央アナトリアでも使われるモチーフですが、シナンだけは他と少し違います。
特にこれは模様の縁取りがダのダブルのスリットで入っています。
よくあるメダリオン模様のジクザク斜線ですら、正確に織り進めるのが難しいと言われますが、この角模様では内側と外側の両方でジクザクしなくてはなりません。
しかも、その空いたスペースにはこれまた凝った模様を入れつつも、細部はシナンのヤストックと同じ手法で織り進めてあります。
これは下図に書いてもその通りに織り進めることは困難、熟練した人が頭り中に織った先の模様のイメージがあってこそ出来たものです。
経験が浅い人が織進めたならば、色合いは派手に出来ても、ぎゅっと押し込んだ羊の角模様となり、ここまでの大らかさは発揮できないでしょう。

偶々かもしれませんが、シナンの魅力が存分に感じられる一枚になりました。
最後の画像は、表面ではコチニールの赤色が退色しているため、元の色合いを見ていただくために裏面の様子を掲載しています。




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