キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
こだわりのキリムで作ったバッグや
クッションカバーも取り扱っています。
キリムの店*キリムアートアトリエ
HOME | お取り引き
について
| 配送方法
と送料
| お支払い
について
| Q&A オーダー
フォーム
お知らせ サイト
マップ


fc133 マラティア・キリム

産地 マラティア MALATYA KILIM
年代 1900年頃
大きさ 343〜349*172cm
価格 720,000円


見事なマラティアのチフカナット。
チフカナットの代名詞でもあり、古参の業者の間でマラティア言えばこの手のキリムを指すくらいに名の知れた存在。
残念ながら、普通のマラティアならまだしも、この位のグレードのものはもうほとんど出てこなくなりました。
見付かるとすれば、天然色を思わせるオールドでまあまあ程度の良い物、本当に古いキリムの場合は、ボーダーの一つが失われる、小さな破損が点在する等、何かしら不具合のあるもので、その手のタイプは価格面で魅力的にする為、安く売られます。
余りに価格差があるので、自身も何度か買い付けてみたものの、他の古いキリムと並べて所有しておく事に嬉しさを感じなかったので、ほとんどをキャンセルし、一部は加工品に回しました。
具体的にこのマラティアの何かどう優れていると言葉で伝える事は難しいですが、多分、この画像ご覧頂ければ、感じて頂けるのがあると思います。
定番のメダリオンを描いていても、色目や模様の配置が絶妙で、広げた途端に引き込まれるようなチフカナットならではの美しさがあります。
そう感じさせるのが天然色の存在、そして、細かな模様一つずつの配置、組み合わせの成せる技であり、最終的に一枚のキリムになった時に感じる描線の美しさが他と違うと感じるのだと思います。
特にこのマラティアでは、色合いの美しさに惹かれます。
コチニール系の赤色でメインのフレームとなる部分を描き、その内側は濃紺で引き締め、更にその内側は骨格となる部分を白いコットンで際立たせてあります。
詳細画像で見て取れる様に、ウールは経年により生成り色に変わりますが、コットンは白いまま残るので、その対比も美しい所、マラティアでは頻繁に切り替えて使う手法が見られます。
そして、このキリムの味わいを左右するメダリオンの凹み/隙間を、これは緑を使って埋めてあります。
画像での識別は難しいと思いますが、この緑色には二種類が使われています。
全体画像向かって左側はお馴染みのインディゴ由来のもの、詳細な画像からも見て取れる色ムラ加減も絶妙、部位により緑味の濃いもの、最後の画像の様に青味の濃いものなど様々。
一方で、右側は、下の2/3位は石油の色を意味する「ペトロン」と呼ばれる緑。
かつて、色ムラが天然色の最大の欠点と考えられていたため、染めムラの現れにくいこの色が好まれたのかと推察されますが、何を原料にしているのか分かりません。
しかし、現実として、これ以上古いキリムに見られる事もあり、かつて、サソリ模様のホタムシ、そのサソリ模様が全てこの緑で織られていた事がありました。
そして、この「ペトロン」が使われる場合、大抵一色だけですが、何故かこのマラティアでは混在しています。
そして、このマラティアの魅力である色合いに大きく貢献しているのが、油脂分を含んだ良質なウール。
お陰でキリムは艶艶とし、目が詰まっている分、しっかりした織り地かと思って触れると、気持ち良い位に柔らかくやや薄手なのに感嘆します。
左上のみ房がありませんが、これは私が見つけた時からこの状態、長い房は作られず、短いまま終わっていました。
こういう場合、上端の右側の房もカットして切り揃えられますが、敢えてここは残しました。
また、このマラティア、左下のボーダー部が少し湾曲しています。(右上も少し似た感じ。)
これは、強引に矯正した為ではなく、最初からこの形になっていました。
その気になれば、織る過程で調整出来そうなものなのに、このマラティアでは、ボーダーのベレケットを敢えてはらみが出るように作り込んであるように見受けられます。
これも彼らの文化の一つとしてご理解頂けたらと思います。
なお、たまたまこちらの方向から撮影しましたが、左右の模様は上端程良く合っているので、反対側から見た方が見栄えすると思います。



戻る
当サイトの写真・文章・他、すべての情報の無断複製・転用をお断りします。
Copyright © 2015 Kilim Art Atelier. All Rights Reserved.
720