キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
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fc254 アナトリア・キリム


産地 アナトリア ANADOLU KILIM
年代 1860年頃
大きさ 427*155cm(房を除く)
価格 250,000円


極薄に織られた色鮮やかな古いキリム。
手に入れた事も忘れるくらい長い期間、キリム屋に置いてあった為、当時の記憶は皆無、この撮影を始めた時にやっと何処でいつ頃制作されたものだろうかと考えた程です。
現状は持ち帰る前にクリーニングに出しただけで、他は一切、手をかけていません。
経年劣化によるブラウンの酸化が進み、よく使われた場所ほど、完全に溶けて落ちています。
殆どのダメージはこのブラウンの酸化により経糸がむき出しになったせいなので、このキリムが酷使されて壊れたのとは少し違います。
その為、以前の様に修理職人の費用が安い時ならば、修理する事も可能だったのですが、その場合は1万ドルからの交渉になってしまいます。

現在、真ん中で縫合してありますが、これは後から簡易的に入れられたもので、観賞用であれば、取り除いて2枚のキリムとして保管するのも選択肢の一つ。
縫合してある理由の一つは、チフカナットとして見易いという利点だけかもしれません。
観賞用としての最善の方法は、このキリムと同じサイズの麻布か何か他の布地に縫い付けてしまう事です。
(※掲載画像の最後に、その参考例を載せています。
そのキリムは、縫い付ける代金に見合わないものですが、トルコでも一般人はどれが古くて価値があるものか分からないのでこうしたミスを犯します。)
最低限度の補修で済ますのであれば、右上のボーダー部分だけ、ブラウンが朽ちて持ち上げた時に垂れてしまう部分だけに当て布をするだけでも構いませんし、見るだけならばこのままでも何ら支障はありません。

また、よくある事ですが、左右の模様は微妙に整合していません。
真ん中の緑色のフィールドが整合するようにつなぎ合わせてあり、これを動かせば下にずらせれば上のズレが大きくなるので、この位置がほぼ最善です。
もし、トルコで一番のストレッチ職人に任せればほぼ完璧な整合になりますが、それに伴う破損も起きてしまいます。

さて、産地ですが、何処だと思われますか?
私は一目見た時、コンヤだと確信して何も疑いませんでしたが、腑に落ちない部分も少し残っていました。
古いコンヤの様な調和のとれたマイルドな色合いではなく、一つ一つの色のコントラストが強調され、フィールドの色の切り替えはマラティアのようですらあります。
模様のデザインもエッジがくっきり出ているのは織が細かい、職人気質の高さの証。
この色の組み合わせはどこかで見たような・・・と思いつつ、撮影していると、ボーダーの緑の葉の部分で気が付きました。
背面がウールとコットンの混紡ですから、アダナレイハンルです。
だから、キリムは極めて薄く、農家の娘さん姉妹が2人で思い思いのキリムを織るのではなく、左右のカナットの特徴が非常によく似ており、田舎のキリムの様な二番染めの淡い色彩を使っていません。

次に色合い、これがこのキリムの最大の魅力。
年代毎に濃度、色合いの異なる緑色を見るとそれが分かります。
より深く濃い色に染めるため、発色の良い黄色を染め上げ、それを藍染してあります。
流石にここだけは色むらが現れていて、ここに見られる黄色の輝きなどから年代が推し量れます。
同様に、青色をコチニールで染めたなすび色もこの年代ならではの色合い。
これだけの濃厚色ですが、実はこの表面の色合いも長い年月で色褪せが進んでおり、裏面を見るとそれはもう言葉にならないほどの濃厚色です。
掲載画像のうち、最後だけが裏面です。
デジタル画像では表面も濃く映し出させるせいで、その違いが分かり難いかもしれませんが、裏面を見た時、古い物好きには心の奥底にググッとくるものがあります。

長く保管して貰っていた為、買い取り価格も定かではなく、低い価格設定にしていますが、かなり素晴らしいキリムであり、今の相場では片側だけでもこの価格になります。



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