キリムの店*キリムアートアトリエ
【Kilim Art Atelier】 キリムと絨毯販売
こだわりのキリムで作ったバッグや
クッションカバーも取り扱っています。
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オールドキリムとは? キリムとは?
(「トルコの染織・キリム」展図録より)
太陽光による退色について
キリムアートアトリエ的
イランキリムのすすめ
キリムアートアトリエ的
イランキリムへのこだわり
トルクメニスタン産の
絨毯について


オールドキリムとは?

もともとキリムや絨毯などは、遊牧民が自分たちで飼っている羊の毛を利用して織ったものなので、現在の商用ベースに乗った工場生産キリムとは、全く基本的な考え方から違っています。
当然、その差は製品にも表れてきます。
もともとは、羊の毛を刈り、織物に使える毛を選別し、繊維状にほぐした後に手で紡いで、洗いに掛け、天日干しします。
さらに、それぞれの色に染めていくのですが、かつては、現在のように原料を細かく裁断するといった知恵もなく、色素を定着させるための触媒に自然の物を使っていたため、キリム一枚にトラック一台分相当の原料が必要だったと言われています。
このような全て天然染料を使用する伝統は、100年ほど前に西洋からの化学染料の流入と共に次第に消えていってしまいました。
当時としては、簡単に染色できる最新の化学染料は、染色の重労働から解放される為、タダ同然で手に入る天然染料よりも貴重だったのかもしれません。
古いキリムに見られる織りや編み込み方法など、手間暇のかかる細工ほど珍重された昔とは違い、今ではその多くの技法が伝承されることなくすたれてしまいました。
現代のキリム・絨毯は、他の工業製品のように、早く、生産コストを抑えて(安く)、そして綺麗に見せなければなりません。
オーストラリア・ニュージーランド産のウールを輸入して、化学染料をいろいろと組み合わせて染色したり、最悪の場合、素材にナイロン糸を混入させて織っています。
外国産のウールは機械で糸を練って紡ぐため、繊維の強度が弱く、また酸を使って脱色しますので、キリムになってもヨゴレを吸着しやすく、経年と共にボロボロになってしまうものもあります。
トルコ産の上質なウールを使用と称しながらも、2〜3割程度の外国産ウールをミックスすることも珍しくなく、見た目には誰も分かりません。
もっとも、ニューキリムはコスト面でそれなりの成果を収め、お手軽なキリムとして広く普及することとなりました。
そのことが、皮肉にもオールドキリムのコレクターのすそ野をを拡げることに繋がり、結果として、オールド/アンティークキリムの市場価値を大きく引き上げる要因となっています。
現在では、昔の製法を復活させて、手紡ぎウールに天然染料で作成しているものもありますが、とても高価な割には、あくまでコピーであり、オリジナリティや芸術性は見られません。
オールドキリムの方が、ニューキリムより安価なことも珍しくなく、この点では、オールドキリムの方がはるかに魅力的です。
もちろん、高価なアンティークキリムとして残っているものを除けば、オールドキリムの品質もさまざまです。
安いだけが魅力の非常に粗雑なもの、古く見せかけるために薬品で洗ったものなどがあります。
まずは、クッションなどのお求めやすい商品でオールドの味わいを感じていただき、それから高品質のオールドキリムを体感してみてください。
きっと嬉しい発見があると思います。

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キリムとは?

染織の歴史において平織は、毛羽のあるパイル絨毯よりもはるかに早い時代に発達したと考えられる。
中東ではキリム、スマック、ジジムのような平織が知られているが、なかでも綴織の敷物はトルコやイランで「キリム」、コーカサスや中央アジアでは「パラス」の名称で広く親しまれているもので、欧米ではタピスリ、タペストリーと呼ばれているのが、これに当たる。
中東で最も親しまれている製織技法であるにもかかわらず、キリムは寸法が小さいうえに柄も色も地味で、パイル絨毯のような豪華さに欠けているので、これまでの評価は非常に低かった。
キリムは、本来、遊牧民をはじめとして、山間僻地の農民、牧畜民の生活から生まれたものである。
とりわけアナトリアのキリムの多くは、こうした地方の人々の需要に応じて地方の織手によって織られたもので、都会、とくに宮廷工房で専門の工人によって織られる絹製に金銀糸をまじえて織った豪華なキリムとは別のカテゴリーに入る。
アナトリアのキリムは、本来、庶民の実用品であるがために、高級なパイル絨毯のように珍重されて後世に伝えられる機会もなく、今日まで残っている古い資料はきわめて少ない。
したがって、パトロンである支配者の好みに左右されたり、あるいは都会の流行に影響されることがなかったので、比較的古い伝統がそのまま維持されてきた。
素朴ながら大胆な色使いやデザインを織り出した素晴らしいキリムは、高い教育をうけたこともない天衣無縫な女性たちの家事や育児の合間の手仕事から生まれたものである。
専門の業者に指示されて苦労することもなく、思うがままにデザインして織ったので、アナトリアのキリムには、こうした人々の自然な思いや願いが込められているのである。

出典: 「トルコの染織・キリム」展図録 1996年 
解説: 杉村 棟 (当時、国立民族学博物館副館長)

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太陽光による退色について(画像にカーソルを載せれば、説明が出ます。)

オールドのキリムの手入れに欠かせないのが業者用語で“ギュネシ(トルコ語で太陽)”という言葉で呼ばれる太陽光による退色です。
この件については、既に他でも説明してありますが、より正しいご理解を頂くためここに詳しく説明します。
市場に出回るオールドキリムの大半は、短期間使われただけのキリムというのがほとんど、当然、化学染料特有のアクの強いをしています。
極希に、大事に使って自然に色落ちしたオールドのキリムもありますが、それらも裏面は依然として強い色合いですし、多少の色染みが必ず発生している上、自然な退色では日の当たり方にムラがあるので、色の濃度を統一させるためにも、必ず太陽に当てて調整しなければなりません。
表と裏が同じ色合いに退色する事は自然には起こり得ず、過去に退色させた物と考えるのが定石。
そのような品物でしょうか、時折、このままで提供可能、ギュネシに送る必要が無いと思えるキリムも見付かります。
正直な話、ギュネシに送る費用が勿体ないので、「このままの状態で良いから少しでも安くはならないか?」と卸屋に尋ねた事があります。
その際、彼の答えは、「ギュネシの費用は支払わなくていい。でも、ギュネシには送る。(サービス)」というもの。
肉眼で見ていくら万全と思っても、大きなキリムの隅々まで完璧に見渡せる訳ではありません。
特に白い部分、肉眼では分からないような些細な染みの類もギュネシに送る事で軽減できるのです。
また、キリムが柔らかくなるという副次的効果もあります。
長年のビジネス、それも観光客や一般大衆を騙すような仕事ではなく、世界中の一流の業者を相手に取引してきたプロの心構え、お客様に対する礼儀としてギュネシに送る事を学びました。
一方、長期間使われたキリムはと言えば、染みや損傷が少なからず存在します。
使用者もまさか将来売りに出すとは予想していませんから、遠慮無しに使い込まれ、アンティークと比べて安価なそれらは、大がかりな修理を施したのでは採算が合わないので、加工品に回されるか、それも無理なくらいのダメージがある物はトルコで一番少額な紙幣5リラと交換され、微細な小物用又は修理糸として最後の時を迎えます。
つまり、普段見かけるオールドのキリムは、短期間使用されたものであり、過去のいずれかの時点で退色させたものだという事。
時には、退色させず、洗浄も不十分なままに売っている店があります。
このようなケースでは、ギュネシに送る僅かばかりの経費の出費も惜しみ、クリーニングさえなおざりにされている訳です。
どうしてきちんとした修理等のケアがされていると期待できるでしょうか?
大抵、お客様の手元に届いてから問題が発生する事になるので、そのような業者とは危険を承知の上でお取引下さい。

イスタンブルからオールドのキリムを集め、アンタルヤに到着したトラック夏場に猛暑になるアンタルヤでは、早朝、僅かに地面が湿り気を帯びるため、キリムは適度に水分を吸い込み、日が昇るにつれ、徐々に蒸発していきます。
こうしてキリムは、毎日、膨張と収縮を繰り返し、副次的効果としてまるで使い込んだキリムのようにソフトになり、手紡ぎ糸は艶が出てきます。
一部で、キリム・絨毯を日陰や山林に置くフォレスト・ギュネシという退色方法もあります。
これは、急激に退色させるのではなく、少しずつ、キリムの色合いを見ながら調整していく方法です。
とても手間が掛かるので大切なキリムだけ、例えばほとんど退色の必要がない古めのキリムに絞って行うには有効です。
ただし、一般的なオールドでは退色の進行が遅い上に、色染み等が抜けにくく、キリムが柔らかくこなれないので、今ではほとんど行う事は無く、田舎のキリム・絨毯屋が手持ちのキリムに行う程度です。
アナトリアでは、化学染料が普及した頃から毒々しい強いケミカル色のキリムが普通に使用されてきました。
元々、華美な色合いが好まれる素地がある上、使っている内に少しずつ色合いも落ち着いてくる訳ですから、何ら不具合は無く、それが当たり前の常識でもあります。
しかし、他国では違います。
オールド=退色というイメージが消費者に定着しているので、色濃いままではいくら古いキリムと言っても一般の大衆は信用してくれません。
何せ、オールドのキリムなのに使用感が無いため、例え年号が織り込まれていてもこの強い色合いのままではセールスに支障を来すため、当然のようにギュネシに送られます。
唯一、ダケスタン地方の業者さんのみが、このような強い色合いのままのキリムを買い求めます。
この地方のオールドキリムは、非常にけばけばしい色をしていますから、それに趣向が合っている訳です。

未使用のカルスキリム 年号「1965」入りさて、私が他店と違うのはギュネシに送る前、田舎から出てきたばかりの状態でキリムを買い付けている事です。
そうする事で、キリムや絨毯の元々の状態を把握することができます。
この意義はとても大きく、退色する事で分からなくなる些細な問題や下手な修理でごまかされてしまう所さえも的確に把握できるのです。
また、キリムには何重ものボーダーがあります。
もし、破損していれば、上下のボーダーは何の躊躇もなく切り落とされます。
前もって見ていれば、それがオリジナルのものがどうかも分かり、大事な物ならそのまま保存する事も可能です。
そうして、元々良質なキリムが多い中から特に良好な状態の物だけを選び出し、ギュネシに送る事ができるので、状態が良いだけでなく粒ぞろいの良品を集められます。
また、ギュネシの方法も他とは違います。
私のキリムだけの為の日干しの畑が確保され、盗難の恐れがなく日当たりの良い場所に集められます。
一般のギュネシでは片面を集中的に退色させてから、反対面の退色を行います。
それが最も効率的な方法です。
しかし、その方法では、一様に強い退色にさらされます。
キリムは一枚ずつ色の濃さや退色の度合いもマチマチですから、本当はデリケートな管理が必要です。
そこで私は、退色されたキリムをいつ引き揚げても良い様に、毎日ひっくり返して両面を同じ色合いに保つ特別仕上げを依頼しています。
私の好み、そして、退色が必要な度合いを再三伝えてある卸屋は、夏場にニ・三週置きにアンタルヤを訪れ、適度な頃合いで引き揚げてくれます。
この行程は一種の企業秘密でもありますが、多分、コストが掛かりすぎるので誰も真似する者はいないでしょう。
そうしてギュネシを終えたキリムは、上手く行けば最高の仕上がりになりますが、何割かは満足できる仕上がりではありません。
何故なら、ギュネシ期間が短い事から、色染みが抜けきらなかったり、思い通りの色合いに仕上がっていない事があるからです。
この為、毎年出荷前のキリムを現地に渡って仕上げを確認、問題のあるキリムは再度のギュネシに送る等、手間の掛けようは半端ではありません。
しかし、今のように全ての費用が高騰すると、情勢も変わってきます。
一枚のキリムを洗いから退色まで行うとなると、大きさにより金額は異なりますが、一枚当たり大体25〜30ドルです。
それが、1000枚ともなればキリム屋は、ギュネシの為だけにとても高額なお金を支払う事になります。
これは前述の通り、全てのオールドキリムに必要ですが、買い付けに手一杯でそのような大金を用意できない所も多々あります。
アンタルヤで一番大きなギュネシ・ファクトリーのHさんは、大勢の人を雇い、イスタンブル−アンタルヤ間を大型トラックでピストン輸送するガソリン代金等を全て立て替え、いざ納品と同時に集金という段階で代金を支払わない者があるので困っています。
それらは口を揃えて、キリムを渡してくれたらその販売代金で支払うと言いますが、踏み倒す事も時たまあって、ギュネシ・ファクトリーの経営を圧迫しています。

色染みが発生した為、薬品に漬けられたピロット・シャルキョイそこで最近、早く、安価に脱色できる方法として、見直されている?!のが、薬品による脱色です。
何せ、キリムのほとんどは観光客相手に売る物です。
例え、数ヶ月後にどんな問題が起きたとしても、二度とは戻ってこない相手ですから、知った事ではありません。
その方法はいくつかあり、薬品に浸す云わば薬品浸けのものから、洗浄の際、少し薬品を加えて色染み等を取り除く物まで様々。
よく考えると、自宅で洗えば色流れが発生するのに、専門業者が洗うと色流れしないというのはおかしい話です。
確かに使用する洗剤、水の温度、洗い方や脱水方法でかなり違いますが、色々な薬品を少しずつ混ぜ合わせた特殊な洗剤を使用しない限り、多少の色流れは発生します。
見た目には悪くても多少の色流れが発生するのがナチュラルな洗浄を行っている証拠、薬品浸けにしたものは、色合いが平坦になり、のっぺりとした表情に変わります。
好まざる方法ですが、結構な分量のキリムがこの方法で洗浄されています。
一部の業者は、「使われる事で退色した自然な味わい」とセールスを打っていますが、大きな誤りです。
どの程度薬品漬けしているかにも拠りますが、薬品に漬かって死んだウールは爪先でひっかいただけで崩壊して抜けてしまい、洗って太陽光で干せば堪えきれずに抜け落ちます。
このような薬品による洗浄は、何も安いオールドだけでなく、アンティークの高価なキリムにも広く行われている現実があり、洗った途端、化学反応を起こしてミフラブの色が黄色から緑に、紫から緑に変わったケースも珍しくはありません。

それだからこそ、キリムの買い付けは、元々の状態で買い求め、仕上がりを確認する必要があるのです。
もっとも、いちいちそのような事をしていたのでは卸屋も仕事になりませんし、買い手も売れれば良いという風潮があるので、なおざりになっています。
このように、市販されているキリムは、何かしら問題を抱えているものが少なからず存在します。
特に安さだけをセールスポイントにしている店、薄汚れたキリムや下手な修理でごまかしをする店の品物はくれぐれも注意して下さい。
このような状況下、キリムの元の状態を把握し、きちんとしたオーダーを掛けたギュネシを行う事が如何に大切な事か、その事実の一端をご理解頂ければ幸いです。

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イランキリムのすすめ

当店では、アナトリアのキリムはもちろん、コーカサスそしてイランのキリムも取り扱っています。
イランキリムの多くは、華美な装飾よりも様式美や実用性を重視し、お部屋に敷いた時に、絨毯のように落ち着いた雰囲気で良く映え、スリットレスのインターロック(かみ合わせ)という織り方によって丈夫にできています。
総じて古いものほど品質が優れ、少なくとも80年以上前のもの、特に100年を越える天然色は極めて発色がよく、染め、織りの技量が特に優れています。
今では、そのような貴重な本当に古いイランキリムは市場からほとんどなくなりつつあり、一介の業者がふいに訪れても見せてはもらえないか、過大な金額を提示されてしまいます。
イランキリムのアンティークを扱うことのできない業者の中には、「イランキリムには、アナトリアほどの骨董的な価値がない」と言われますが、とんでもない誤解です。
イランキリムには、トルコ産キリムに優るとも劣らない素晴らしいものが結構たくさんあります。
宮廷に献上されたかのような、金糸・銀糸で織られた150年を越える特別なキリムや、地元の有力者が代々受け継いできた貴重な文化遺産がイラン各地に秘かに所蔵されています。

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イランキリムへのこだわり

古いイランキリムの修理は、すべてトルコで行います。
なぜなら・・・ イランの民家から買い付けたものはもちろんのこと、例えバザールから仕入れても、修理なしの現物渡しが基本であって、例え、修理可能であったとしても、修理を頼まない方が良いからです。
(ちなみに修理は別料金です。)
今まで多くの古いイランキリムの修理を見てきましたが、残念ながらイランの修理技術は優れているとは言い難いのが現実です。
修理糸にはキツい化学染料の糸、中には、細いウールの代わりに綿糸まで使って修理されたもの、それもかなり色目が違うにもかかわらず、周囲との織り目や色のバランスも考慮しないままやり遂げてしまったものがあります。
そのため、私がお願いしている卸屋さんは、イランでアンティークキリムを仕入れてきて、まず一番に下手な修理を取ることから始めなくてはなりません。
そうして、オリジナルの糸だけにして、クリーニングを済ませてから、やっと修理にかかることができます。
(イランのオールドキリムには色流れが多いので、きちんとしたクリーニングも欠かせません。)
そうして、イスタンブルで修理されたイランキリムは、きちんとストレッチを掛けて経糸の断裂まで確認した後に、万全の状態で出荷が可能になります。
きちんと手入れされていないイランキリムには、変形や歪み、そして赤色のにじみなどが非常に多く見られます。
安かろう、悪かろうでは、私の好むところではありませんので、上質なイランキリムだけを厳選してご提供させていただきます。
滅多にお目にかかれない超アンティークを初めとした品々は、ちょっとした洋書よりも充実した品揃えが自慢です。

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トルクメニスタン産の絨毯について

トルクメニスタン産の真紅の絨毯は、通称ブハラ絨毯の名で広く知られています。
ご存じブハラはウズベキスタンの古都、日本の京都に似た位置づけになります。
都市間を結ぶシルクロードは何本もあり、丁度、その枝分かれした道が交わるブハラはシルクロードの要衝として繁栄していました。
その内の一本は、トルクメニスタン国内から現在のアシハバードを経て、ブハラへと通じていました。
そして、重要な交易品であったトルクメニスタン産の絨毯は、アシハバードからラクダで砂漠を渡り、一大交易都市のブハラで取引され、ブハラ絨毯として有名になった訳です。
そのため、一般に言う真紅のブハラ絨毯は、実はトルクメニスタン絨毯を指します。
また、ブハラも有名な絨毯の産地、ラクダの毛を使い、割と細やかなパイルの絨毯を産出していますが、デザインはトルクメニスタンのブハラ絨毯とは全く違います。
ここではトルクメニスタン産の真紅のブハラ絨毯を、本家トルクメニスタン(絨毯)と呼ぶ事にします。
                          本家トルクメニスタン絨毯ヤストック→
これら本家トルクメニスタン産の絨毯を始め、トルクメニスタンのキリムやジジム、そしてウズベク産のスザニ等は、現地通貨が対ドルレートでとても安かった為、貴重な現金収入を得る手段としてあっという間に海外へと流出しました。
かつては一枚のスザニを売ると一頭の羊を買う事が出来たので、喜んで売り払われました。
しかし時代は流れ、物流の主役は飛行機です。
本家トルクメニスタン絨毯やウズベキスタンのスザニ等は、同じトルコ系民族で一番の友好国であるトルコへと飛行機で運ばれ、世界のマーケットへと流れていくようになりました。
本家トルクメニスタン絨毯は、既にマーケットの主役として不動の地位を確立しています。
バザールを覗けば、真紅の本家トルクメニスタン絨毯が観光客の目を惹き、次から次へと飛ぶように売れていました。
まるで尽きる事がないように豊富に出回り、品質の良さの割に安価に放置されていましたが、2年程前から事情が変わり、急に価格が跳ね上がりました。
当初は、トルコの税関当局が関税率を引き上げたのだろうと噂していましたが、どうもそれだけではない事に気がついたのが割と最近の事。
詳しく訳を聞けば、トルクメニスタンを出国する際に、とても高価な関税を課すようになっていたのです。
1平米辺り、250ドル相当の追加負担が生じているそう。
これはチュアルの様な小物でもしかり。
X線の検査で絨毯が見付かると没収されたり、厳しく課税されるので、密輸は不可能です。
この税金は、トルクメニスタンを出る際に課されていますから、例え隣国のイランで購入しても同じです。
もっとも、イランに出回るトルクメニスタン絨毯のほとんどは、イランで織られたトルクメン風の絨毯、本家トルクメニスタン絨毯は、トルコよりも高い値段が付けられています。
そこで最近目を付けられているのが、アフガニスタン産のトルクメン風の絨毯です。
イランのバルーチ等と同じく本家トルクメニスタンの親戚ですが、それらは本家トルクメニスタン絨毯ではありません。
販売店側が、アフガン産のトルクメン風の絨毯を、「お買い得なトルクメン絨毯」のようにセールスしていますが、実は、割安なアフガン絨毯を高い本家トルクメニスタンになぞらえている上手な商売文句に過ぎません。
前述の通り、本家トルクメニスタン絨毯は、出国する際に高い税金が課せられますから、割安な本家トルクメニスタン絨毯など存在しません。
また、本家トルクメニスタンは、イランやアフガニスタンの絨毯とは物が違います。
残念ながら、アフガン産のトルクメン風の絨毯、イラン産のトルクメン風の絨毯の方が日本ではメジャーなので、本家トルクメニスタン絨毯の事はすっかり忘れられています。
お客様から、「トルクメニスタン絨毯」が欲しいとご要望を受け、本家トルクメニスタン絨毯をご紹介したところイメージと違うらしいので、よくよく聞いてみると、お探しの絨毯はアフガン絨毯だったという事も珍しくありません。
この事例とは別に、最近、本物のトルクメニスタン絨毯のご要望があり、お客様に個別に販売しました。
その品物の良さときたら、見ているだけで嬉しくなるくらい、満足度も格別でした。

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